免税で買える量は、
空港で自分の手に持てる量になります。
2026年11月1日から、日本の免税は「レジで引かれる」から「いったん払って、あとで返ってくる」に変わります。 そして税関の確認は、手荷物を預けたあとでは受けられません。
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結論から言います。2026年11月1日から、日本の免税は「レジで引かれる」から「いったん払って、あとで返ってくる」に変わります。そしてその分かれ目は出国日ではなく、レシートの日付です。
5人、6人ぶんの土産と日用品をまとめ買いする——という家族を想定しています。買う量が多く、総額が大きく、しかも買い物が数日に分かれる。だからこの制度変更は、同じ1回の旅行の中で手続きが2種類混ざるという形で効いてきます。金額の例は6人家族で示しますが、5人でも7人でも考え方は同じです。
この記事の制度の説明は、国税庁が公表しているQ&A(リファンド方式・概要編)を典拠にしています。運用が始まる前の情報なので、まだ決まっていないことは「決まっていない」と書きます。
制度の骨格2026年11月の免税制度は何が変わるか ― 店頭で税込を払い、出国後に返ってくる
結論:2026年11月1日から、免税店は免税の対象になる品物も「税込価格」で販売します。消費税相当額は、出国時に税関の確認を受けたあとで返金されます。これがリファンド方式(還付式)です。
前提として、この制度が使えるのは免税店(輸出物品販売場)での買い物だけです。どの店でも自動的に税が返るわけではありません。
国税庁「輸出物品販売場制度に関するQ&A(リファンド方式・概要編)」より作成。①買うとき、免税店は税込価格で販売します。パスポート等の提示は今までどおり必要で、提示がなければ免税販売の手続き自体ができません(旅券情報が入った Visit Japan Web の二次元コードの提示も認められています)。
消費税は標準税率10%(消費税7.8%+地方消費税2.2%)、酒類と外食を除く飲食料品は軽減税率8%です。返ってくるのはこの税額に相当する金額です。
日付の境目免税の境目は買った日 ― 10月末をまたぐ旅行は手続きが2種類混ざる
結論:新しい方式が適用されるのは2026年11月1日以降に免税店で行われた販売からです。購入者の出国日ではありません。そして現行制度との併用期間はありません。
- 10月31日までに買ったもの … これまでどおり、レジで税抜になります
- 11月1日以降に買ったもの … 税込で払い、出国後に返金されます
- 2026年10月31日から11月1日をまたぐ旅行では、同じ旅行の中に2種類のレシートが混ざります
- 適用は11月1日午前0時以降の取引から。ただし店が継続して使っている売上計上基準によって、11月1日0:00〜1:00の販売を10月31日分として処理する場合は、これまでの手続でも差し支えないとされています
大家族にとってここが重要なのは、買い物が1日で終わらないからです。到着日に日用品、中日に土産、最終日に買い足し——という買い方をすると、11月をまたぐ日程では「返金を待つ買い物」と「その場で安くなる買い物」が両方発生します。レシートを分けて管理してください。
最大の実害免税品を預け荷物に入れてはいけない
結論:税関の確認は、空港で手荷物を預けたあとでは受けられません。6人分の土産をスーツケースに詰めてチェックインカウンターへ直行すると、その時点で還付は消えます。
これが今回の変更で、大家族にとって最大の実害です。
- 税関の確認は手荷物の機内預けをした後に受けることはできません。預ける前に確認を受ける必要があります
- 出国時に免税対象物品を所持していない場合は、持ち出しについての確認を受けられません。したがって免税で買える量は、出国時に自分たちで所持して持ち出せる数量に限られます
- 「別送」の取扱いは2025年3月31日で廃止済みです。自分で先に郵送しておいて、書類で確認を受ける——という方法はもう使えません。購入時に免税店から国外へ直接送る仕組み(直送制度)は残っていますが、条件も費用も、この記事では確認できていません
- 税関の確認を受けなかった場合、販売した店側が免税の適用を受けられず、購入者への返金は行われません
つまり、「免税で買える量」=「家族全員が空港の税関前で自分の手に持てる量」になりました。5人家族なら手は10本、6人なら12本ですが、そのうち何本かは子どもの手で、何本かはベビーカーを押しています。買い物の量を決めるとき、レジではなく空港での自分たちの姿を思い浮かべてください。
もうひとつ。税関の確認を受けた免税対象物品は遅滞なく輸出しなければならず、正当な理由なく輸出しなかった場合は罰則の対象で、免除された消費税相当額も徴収されます。「返金だけ受けて日本に置いていく」は制度上ありえません。
免税品は手荷物で持つ必要があるぶん、それ以外の荷物をどう軽くするかが効いてきます。日本で荷物を先に送る 手ぶら移動の宅急便ガイドもあわせてご覧ください。
対象が広がる免税対象が広がる ― 封が消え、50万円の上限も消える
結論:一般物品と消耗品の区分が廃止され、それに伴って消耗品の特殊包装(封)と、同一店舗1日あたり50万円の上限がなくなります。
| 区分 | 免税対象金額 | 免税対象物品 | 特殊包装 |
|---|---|---|---|
| 一般物品(〜2026年10月) | 5千円〜 | 通常生活の用に供する物品 | 不要 |
| 消耗品(〜2026年10月) | 5千円〜50万円 | 同上 | 必要 |
| 2026年11月〜 | 5千円〜(上限なし) | 用途を問わない | 不要 |
- 封がなくなります。これまで免税で買った消耗品(食品・薬・化粧品など)は専用の袋に封をされ、出国まで開けられませんでした。だから「滞在中に使う日用品」は免税で買えませんでした
- 「通常生活の用に供するもの」かどうかの判断が不要になります(用途要件の廃止)
- 50万円の上限が消えます。6人分をまとめ買いする家族には、この上限のほうがむしろ邪魔でした
- 免税の対象外になるのは、金および白金の地金・金貨・白金貨と、消費税が非課税とされる物品だけです
- 購入下限額の5千円は維持されます。一般物品と消耗品を区分せずに判定し、判定は引き続き税抜価額で行います。5人・6人分をまとめ買いする家族が5千円に届かないことはまずないので、大家族にとっては実質的な制約ではありません
ただし勘違いしないでください。封が消えたのは「滞在中に使ってよくなった」という意味ではありません。出国時に所持していなければ確認を受けられず、返金もされません。封という物理的な縛りが、出国時に持っているかどうかという条件に置き換わったと考えるのが正確です。
返金の受け取り免税の返金はいつ・どう受け取るか ― 法律で決まっていない
結論:返金の方法について、消費税法令は何もルールを定めていません。銀行振込かもしれませんし、クレジットカードへの返金かもしれませんし、出国する空港の中での現金かもしれません。店ごとに違います。
- 返金手続は、免税店を経営する事業者が自ら行うほか、承認送受信事業者等に委託する方法が考えられるとされています
- 具体的な返金方法として国税庁のQ&Aが挙げているのは、銀行振込・クレジットカード送金・アプリ送金・税関の確認を受けた出国港内での現金による返金などです。「などが考えられる」という書き方で、指定はされていません
- 税関確認の前に返金することもできます(事前返金)。ただしその場合、購入者が出国時に確認を受けなければ店側が免税の適用を受けられず、返金後の金額で課税販売したことになります。事前返金は店の責任で行うものです
だから、大家族が事前に決めておくことは1つだけです。どの店で買うかを決めるとき、値段ではなく「返金方法」を聞いてください。とくにクレジットカードへの返金なら、そのカードは帰国後も有効なものでなければなりません。旅行のために作った一時的なカードや、家族の誰かの名義で滞在中しか使わないカードを使うと、返金の受け皿が消えます。
事前返金が認められているので、店によってはこれまでと同じように「その場で税抜」に見える運用をするところが出る可能性はあります。ただしそれは店側がリスクを負って行う任意の運用であって、制度としての原則ではありません。当てにして買い物の計画を組まないでください。
返金までに何日かかるかは書けません。法令にルールがなく、運用もまだ始まっていません。運用が始まるまで、日数を示せる情報源は存在しません。
財布への影響免税分の立て替え ― 増えるのは負担ではなく、先払いの額
結論:免税の対象になる金額そのものは変わりません。変わるのは、旅行中に手元に必要な現金とカード枠です。
| 免税対象の買い物(税抜) | 支払い時に上乗せされる額 |
|---|---|
| 5万円 | 5,000円 |
| 10万円 | 10,000円 |
| 30万円 | 30,000円 |
- 6人家族が土産と日用品で税抜10万円ぶん買えば、1万円を一時的に立て替えることになります
- 飲食料品は軽減税率8%なので、食品中心の買い物なら上乗せは少し小さくなります
- 旅行最終日の買い物ほど、この立て替えが財布を圧迫します。帰国前に残高を使い切る計画を立てていると、免税分の立て替えでカード枠が足りなくなることがあります
大家族の旅行では、支払い手段そのものが詰まりやすい場面が他にもあります。現金&ICカード完全ガイドもあわせてご覧ください。
疑問に答えます2026年11月の免税変更 よくある質問
2026年11月1日をまたぐ旅行では、どちらの制度が使われますか?
買った日で決まります。出国日は関係ありません。併用できる移行期間がないので、11月1日をまたぐ滞在では2種類のレシートが手元に残ります。
免税で買ったものをスーツケースに入れて預けてもいいですか?
いけません。手荷物を預けたあとでは税関の確認を受けられず、確認がなければ返金もされません。免税で買うものは、空港の税関で自分たちの手に持てる量にとどめてください。
返金はいつ、どういう形で受け取れますか?
決まっていません。法令が返金方法を定めておらず、店ごとに違います。買う前にその店の返金方法を確認してください。日数についてもルールがなく、この記事では書きません。
パスポートを持ち歩かず、Visit Japan Web の二次元コードで買い物できますか?
旅券情報が記録された Visit Japan Web の二次元コードによる提示も認められています。ただし何らかの形での旅券等の提示は必須で、提示がなければ免税販売の手続き自体ができません。提示が必要なのは買う人本人の旅券等です。家族で分けて買えばその人数ぶん要るので、誰の名義で買うかを先に決めておくと会計が止まりません。
11月以降も「その場で税抜」になる店があると聞きました。本当ですか?
ありえます。制度上、税関確認の前に返金すること(事前返金)が認められているためです。ただしそれは店がリスクを負って行う任意の運用で、制度の原則ではありません。その店がそうするかどうかは事前には分からないので、税込で払う前提で予算を組んでください。
子どものおむつやミルクを免税で買って、滞在中に使ってもいいですか?
2026年11月からは封がなくなるので、袋を開けること自体はできます。ただし出国時に所持していないものは税関の確認を受けられず、返金もされません。国税庁のQ&Aは、免税で買った食品を出国前に飲食した場合を例に、その旨の申し出があれば店は購入記録情報を取り消すと明記しています(問21)。滞在中に消費する前提のものは、免税を当てにせず税込で買うほうが計画が崩れません。
5千円未満の買い物は免税になりますか?
なりません。購入下限額の税抜5千円は維持されます。ただし一般物品と消耗品を区分せずに合算して判定できるようになるので、同じ店・同じ日にまとめて買えば、5人・6人分の買い物が下限に届かないことはまずありません。
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